こんにちは、「#1年うち15日間だけオープンするランジェリーショップ」です。
2015年12月〜2020年12月まで5年間、神戸・住吉のギャラリーラ・キキさんを拠点に年間15日だけの輸入ランジェリーセレクトショップを運営してきました。
これまで日々を無事に終えることに精一杯でしたが、ちょうど5年の節目を迎え、振り返りを書き留めます。
そして、ときどきご連絡いただく「ランジェリー関連の仕事をしたい」という方が興味を持っておられそうな…
- 売上報告
- 一番売れた商品
- やって良かったこと
- やらなかったこと
- 反省点
このあたりもまとめていきますね。
5年目を終えた率直な感想
激動の2020年もなんとか15日間やりきった!
これに尽きます。
もちろん、はじめてのお客様に出会うことができた。
いつものお客様に変わりなくお会いできた、などの喜びは数限りないものですが、
5年間をやり遂げたことよりもコロナ禍という未知の1年間を乗り越え、全日程を終えることができたという安堵感が大きいです。
年間15日だけの下着店をはじめた理由
フランスやイタリアなど、ヨーロッパから輸入されるランジェリーはとても美しくほれぼれするものです。
でも、そうそう売れるものではありません。
当店で取り扱う商品群は、スペインのトップメゾンAndre Sarda(アンドレサルダ)、イタリアではラ・ペルラに並ぶプレステージブランドRITRATT(リトラッティ)など…
- 日本の下着市場約6050億円中の1%程度と極小規模
- 6ヶ月先の受注発注必須(半年先を見越した仕入れが必要)
- 下着特有の細かいサイズピッチ(靴のサイズ展開を想像していただくとわかりやすいかな)
- 補正効果などの機能性は低い(日本市場でわかりやすい売り文句を持たない)
- 上下で平均3万円〜(日本女性の年間下着購入額は1万円〜1万5000円)
リスクしかない!と言っても過言ではないマーケット…
長年好きで身に着けており、下着の資材メーカー〜輸入商社に携わってきたからこそ、固定で場所を構えて主たる事業にする怖さもよくわかっているつもりです。
(お店を構えていらっしゃる方々には心から尊敬の念を抱いており、お買い物にも伺っています)
それでも好き!で、もっとこの美しい世界を多くの女性に知ってもらいたい気持ちを抑えきれなかったから、
最小リスクで、お客様のニーズにも応えられる(であろう)期間限定店をはじめました。
やって良かったこと
「集客」を意識しない
2015年にスタートしたとき、「ひとりできちんとやり続けること」
これを最上位に掲げました。
インポートランジェリーは大好き。でも、私のすべてではないからフルコミットはできない。
私の一部を確立するために「やるべきこと」だけをやる。
この事業において、
集客とは「やった方がいいこと」。
続けるために具体的にやったことは
- 続けられる日数…「年間15日」を決めた
- 拠点となる場所(神戸・住吉のギャラリー ラ・キキさん)を決めた
- 長く信頼する友人との共催イベント以外は「一人でやる」と決めた
「やるべきこと」はこれらを継続することだと定義しました。
小規模でもきちんと続けていればお客様は来てくださる。
だから、集客・拡大は気にせず「気になるお店」であることだけを目指しました。
そういう意図を誰かと共有するのは今の私には難しいことも理解しているので、「ひとりで」やることも貫きました。
5年間の感想が情緒的なものではなく「2020年も15日間やり切った!」というのもこれが理由です。
結果、毎回必ず「はじめて」という方がいらっしゃるいっぽうで
お客様のリピート率は50%以上、目指したとおりになったと思います。
やらなかったこと
積極的な集客活動
いわゆる女性向けビジネスに定石とされる「つながり」を作ることにはほぼ手をつけませんでした。
具体的には…
お客様との写真撮影
わたし自身写真があまり好きではないこともあり、こちらからお声がけすることはほとんどありませんでした。
また、いらっしゃるお客様は、SNSはご覧になっていても積極的にランジェリーを発信する方が少ない印象。
お互いにちょうどいいなと感じるバランスなのでしょう。
日々のSNS投稿
ショップ告知のインスタ投稿は開催前の2〜3週間のみ。
終われば1〜2ヶ月放置は当たり前というマイペースぶりでした。
もちろん広告出稿はありません。
5年間運営して、投稿数690というのは…多くはないと思っています。
お客様のフォロー
季節に応じたグリーティングカードや案内を模索していた時期もありましたが、デザインの納期計算と自分のスキルでキャパオーバー、
早々に諦めました。
これまで、マーケターとして長く仕事をしてきました。
いくつもの企業に関わることで視野広く、集客知識が多いほうだと思います。それでも、人の購買衝動というものはセオリーでは言語化できない部分があり、それを実証できると思っているから「やらない」ことを選択しました。
「やるべきこと」に集中するために。
反省点
このWebサイトは2018年10月から放置状態というありさま…
最初の頃はサイト上で告知し、Facebookでイベントも立てていましたが、いつからか何もせず…
積極的な集客活動はしないとはいえ、
あまりにもしなさすぎですね。
Instagramのマイペース更新のみで、ご興味を持ってくださった方、
いつも楽しみに見守ってくださる方には感謝尽きません!ありがとうございます!
一番売れた商品
インポートランジェリーは基本的に1点もの。
お店のオーナーの好みが反映されること、仕入れリスクの関係もあり
サイズや色展開の奥行きがほとんどありません。
そんな中、常時40色を誇るイタリアのランジェリーブランド「コサベラ」のストレッチレースタンガは年間を通じて新色投入も多く、手持ちのアイテムに自由自在に合わせられることもあり、コンスタントに購入いただく商品です。
売上報告
2018〜2020年の「クレジットカード」分の売上を公開します。
全体では現金など他の決済もありますが、カードが多めかな。
参考値としてSquareの年始メールのスクショをそのまま貼ります。
開催期間以外の売上は6ヶ月後の春夏・秋冬コレクションのオーダーが入荷した際のものです。
15日営業としては少ない?多い?いろんなご意見ありそうですが…
自分への記録としてペタリ!
ほんとに年間15日なの?
いい機会なので、開催日をGoogleカレンダーから引っ張り出してみました。
2015年
- 12月21〜23日
- Total 3日間
2016年
- 2月13〜15日
- 5月22〜24日
- 7月31日〜8月1日
- 9月3〜5日
- Total 11日間
2017年
- 2月25〜27日
- 5月20〜22日
- 7月22〜24日
- 9月9〜11日
- 12月16〜18日
- Total 15日間
2018年
- 2月10〜12日
- 5月20〜22日
- 7月14〜16日
- 9月8〜10日
- 11月〜28日(ナオランジェリーさん共催)
- 12月15〜17日
- Total 15日間、イベント共催3日間
2019年
- 2月9〜11日
- 5月25〜27日
- 7月25日(多目的空間iroiro)
- 8月25日(多目的空間iroiro)
- 9月22〜24日(プントゥさん共催)
- 10月13日(ギャラリーノスタルジア)
- 11月4〜6日(ナオランジェリーさん共催)
- 12月21〜23日
- Total 15日間、イベント共催3日間
2020年
- 2月8〜9日
- 7月20〜26日(多目的空間iroiro)
- 11月14〜16日(銀座フラッグギャラリー)
- 12月24〜26日
- Total 15日間
2015年12月にスタート、2016年は出産で1会期スキップ。
「#1年のうち15日間だけオープンするランジェリーショップ」と名乗りだしたのは2018年2月からです。
ふと、2017年を振り返り「あぁ、15日なんだな」と気づき、名称を添えて年間計画を立てて実行してきました。
途中、友人のランジェリーブランドとの共催という特別なイベントはありましたが、看板に偽りなし!と言っていいでしょう。
2021年、これからの展望
この世界をもう少し多くの方に届けたい。そして、「わたし」の一部を確立するために…とはじめた小さな事業ですが、
これまでの形をベースにしながらもホテルで広めのお部屋開催など、今の社会事情を鑑みて配信重視で開催を模索中。
まずは、2月中にClubhouseで音声配信やってみる予定!
今年もパリ国際ランジェリー展は中止となり、先行き不安な中ですが輸入代理店には2021AWのサンプルが届き始めています。
いつもは顧客様のみ公開のコレクションを音声という「見えないもの」で皆さんにお届けしてみようかと…
今後、「15日」は絶対値ではなく目安に移行していきますが、ここまで続けてこれたのは海の物とも山の物ともつかぬお店に足を運んでくださったお客様、いつも見守ってくれる友人たち、お取引先様のおかげです。
5年間ありがとうございました!
多くの人に助けていただいた日々の記録が、これから何かを始めようとする誰かの役に立てば(それが反面教師でも!)嬉しいです。
小さなチャレンジ継続があなたの自信や拠り所となりますように!
このエントリーを書いた人
フランス、イタリア、ポーランドなど欧州のランジェリーやラウンジウェア(お部屋着)をセレクトした #1年のうち15日間だけオープンするランジェリーショップ オーナー@神戸・住吉や大阪